81FXS様 エンジンオーバーホール作業の続きです。
バルブタイミング実測調整です。
ハーレーのシングルカムのビッグツイン、ナックル〜エボリューション迄は全く同じ構造のキー溝無しのカムシャフトとカムギヤの圧入式です。
この構造が正確に組んだつもりでもバルブタイミングの誤差を大きく生む原因です。
4サイクルエンジンのカムシャフトはエンジン2回転で1回転します。
たったのφ27mmしかないカムシャフト圧入部にエンジン2回転720度の角度が存在する事になります。
そしてφ27mmの圧入部を720等分した1がクランク角度1°となります。
想像しただけでも繊細な事だとお分かり頂けると思います。
この構造故にクランク角で10°以上ずれている物も多く見かけます。
そして、自分はこのバルブタイミングこそがハーレーエンジンの“当たり” ”ハズレ“の差として語られる大きな原因の一つだと確信を持っています。
実際に過去に同じ仕様のエンジンを2基組んだ際に各部の仕上げ数値は揃えて組んであるにも関わらず、個体差を感じた際に、悩みに悩んだ末に個体差が生じるならここしか無いと思い実測した結果バルブタイミングに差が有り、修正後には納得できるイコールコンディションのエンジンに仕上がりました。
こう書くとエンジン不調の原因がバルブタイミングの狂いではないか?と頭を囚われしまうかもしれませんが、他が正常であって初めて疑える原因でもあります。
いきなりバルブタイミングを疑うのは修理のセオリーから外れます。
修理はネタじゃないし、旬なんて当然無いし、インスタ映えでもないです。
目の前の個体が抱える原因に向き合うだけです。
バルブタイミング特有の症状も存在しますのでエンジン不調でお悩みの方はご相談下さい。
GLORY ENGINEERING
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