やっとと言うか、いよいよと言うか暖かくなってきました。
暖かくなって体も動きやすく作業ははかどるのですが、
町中で見かけるバイクの台数も明らかに増えお預かり修理車両
なるべく早く納車しなければとこのシーズン毎年あせります。
オイルポンプの合わせ面よりのオイル漏れ修理その他数箇所の修理で入庫
頂いている78FXです
この状況あなどるなかれです! この箇所ばかりはオイルが漏れるのは
入っている証拠なんて冗談では済ませられません。
オイルポンプカバーとの間から漏れている事によってフィード側
の油圧が低下しています。 しかもこの車両エンジン始動すると
けっこうな勢いで漏れてきます。
油圧についてタペット音が出なければあまり問題視されない様ですが
実際はオイルポンプの油圧低下が原因でタペット音が出るところ
までいくと末期症状です。
なぜかと言うと、オイルの圧送量の少なく油圧の低い
状況ではリリーフバルブによって制御されクランク側にはオイルが
回らない為です。
更にアイドラーシャフト抜けてしまっています。
これもまた油圧低下します。
カムカバー内もなかなか大変な事になっています。
カムシャフトのスラスト調整不良により焼けてしまっています。
残念!
ピニオンシャフトブッシングも異常摩耗&焼けてしまっています。
Rightケースとラインリーム加工されていない物に交換したのでしょう。
ピニオンシャフトエンドも0.08mm振れています。
ブッシングクリアランスを考えると完全アウトです。
とは言ってもカムブッシュ、ピニオンブッシュ、ピニオンシャフトの
振れの適正化はクランクケースを割っての作業になるので、
今回は見逃しとの事なので、このままいきます。
せっかくなのでカムギアのタイミングチェックです。
一目盛り2°のズレです。
一度抜いて適切なタイミングで入れ直しです。
純正Hカムでカラーコードもマッチング、スリップの痕跡も
無いのに不思議です。
メーカー出荷時からなのでしょうか!?
仮組み状態でスラスト再調整です。
あわせてブリーザーギアのシム調整もしておきます。
続いてオイルポンプ、 アイドラー抜けなのですがこれまた
現状回復リクエストなのでせめてチェックボールシートだけでも
修正しておきました。
他にも修正箇所あったのですが、いきなりオイルポンプ組み付け
芯出し完了です。
常識ですがピニオンギアナットインパクトでパリパリッなんて
もっての他です。
先にシム調整を済ませてあったカムシャフト、ブリーザーギア組み付けて
カムカバー内作業は完了です。
タペットブロックを特殊工具にて確実にセンタリングした上で
組み付けです。
後プッシュロッド張って作業完了しています。
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